夫は外国人です。当然のことながら、義理の両親も外国人です。彼らからのお願いで、小学校を卒業した娘の卒業写真を撮りました。正確には、卒業写真自体は卒業式の日に、学校の校門前で撮影したものを送付済みだったのですが、どうも海外ではよくある、写真館で撮った、四角い帽子にガウンを着て、希望と自信にあふれている上半身の写真が欲しいとのことでした。
自分の家族のことをこう言うのはおかしなことかもしれませんが、義理の両親はとても立派です。尊敬しています。というのも、常々、家族は平等でないとと口にし、実際にそれを基準にして行動します。娘の写真についても、他の孫たちがそうしているのと同じにしたい、家族写真のブースに日本で頑張って、日本の学校を卒業したはずの自分たちの孫(すなわち娘)の写真を飾りたいという思いからの依頼です。その気持ちが分かるので、日本にはない習慣なのでと断ることはできませんでした。
とはいえ、日本ではなかなかあのタイプの、希望と自信にあふれ胸を張り、きらりと微笑む写真、しかも、公立の小学校卒業記念でのそういう写真を撮るという話は聞きません。そもそも四角い帽子とガウンがありません。何はともあれ、両親の希望には応えたいということで、卒業式に来た服に卒業証書が入った筒を持たせ、近所の写真館にこんな感じの写真を例を示してお願いし撮影しました。
娘はと言うと、最初は恥ずかしがっていたのですが、だんだんその気になり、それらしい写真が撮れました。このようにしてとられた娘の小学校の卒業写真、義理の両親はとても喜びました。早速、家族写真のブースに飾っています。そして、日本の小学校の卒業式には帽子やガウンを着ないこと、みんなに説明しているようで、親族みんな、そのことを知っています。
正直に言えば、写真館でお願いするの、親の私も恥ずかしかったです。でも、恥ずかしさを乗り越えてみれば、して良かったと思っている自分がいます。次は中学校の卒業式です。次は言われる前に、中学校の制服姿であのタイプの写真を撮って送ろうと今から話しています。